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  [No.208] KJ法の準備にKH Coderを使おう 投稿者:   《URL》   投稿日:2006/10/07(Sat) 09:34:02

樋口さんこんにちは。九大の橋本です。
質問紙の自由記述回答を分析する場合に,KH Coderの活用法をひとつ思いつきました。
そんなに分量が多くなく,KJ法による詳しい分析が可能な場合に有効と思います。
多くの読者の方には釈迦に説法かなとも思いつつ,書き込ませていただきます。

1.まず,テキストデータを,一人一人の回答単位で<H1>タグで切っておきます。

2.次に,頻出150語をチェックします。

3.頻出150語を参考に,簡単でいいので,コードをいくつか作ります。

4.コード間のJaccard係数を算出します。

5.SPSSで,Jaccard係数をユークリッド距離行列に置き換えます。分析→相関→距離で,変数間の非類似度(ユークリッド距離)を求めればよいです。

6.SPSSで,ユークリッド距離行列を多次元尺度法にかけ,各コードを2次元マップに布置します。これで,コード間の位置関係や距離感がかなりわかります。

7.2次元マップを参考にしつつ,自由記述データをKJ法で詳細に分析します。2次元マップが手元にあるおかげで,紙切れのグルーピングがとてもしやすくなります。

どこか使い方で間違っているところなどありましたら,樋口さんやみなさん,ぜひご指摘ください。ほんの1週間前にKH Coderを使い始めたばかりの初心者ですので(^^;)


  [No.209] Re: KJ法の準備にKH Coderを使おう 投稿者:HIGUCHI Koichi  《URL》   投稿日:2006/10/08(Sun) 21:32:38

こんにちは、樋口です。書き込みありがとうございます。
スパム判定スクリプトの誤動作で、しばし、せっかくの書き込みが掲示板に
反映されていなかったようで、ご迷惑をおかけしました。

ともあれ、特に、詳細に目で確認できる分量のデータを扱う場合、あるいは
データ量が少なくて十分な計量的分析が難しい場合のKH Coderの活用法とし
て、非常におもしろいものだと思います。下の方に書き込んでいただいてい
る総合地球環境学研究所の松川さんの場合も、大量にコードを作って、コー
ド間の関連を調べるという方法で、探索を行われていたようです(KJ法を行
われたのかどうかまでは分かりませんが…)。

通常、質問紙調査の自由記述項目でしたら、男女・年代のような他の変数が
変化したときに、言葉やコードがどう変化するのかを見るというのが1つの
定跡であろうとは思います。が、そういった定跡にのっかりにくい場合の活
用法として、非常におもしろいものだと思います。

というのも、KH Coderで計量的に分析(2次元マップ作成)した場合と、目
で直接読んだ(KJ法で詳細に分析した)場合とでは、データを見る視点が
相当変化します。それぞれの視点では、やはりそれぞれの「見え方」とで
も言うべきものがあって、相互に参考に出来るのではないかなぁと思うか
らです。さらには、「2次元マップを作成したから気がついたけど、目で読
んでるだけでは気づかなかったかもしれないなぁ」なんてことまであれば、
最高(?)でしょうが、なかなか必ずしもそこまでは上手く行かないでしょう
か。

以上、とりとめもなく書いてしまいましたが、ひとまずのお礼までにて失
礼いたします。

p.s.
「うちでは/私は、こういう使い方をしてるよ!」といった書き込みは大
歓迎です。是非、皆様お気軽に書き込みされてください。