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  [No.2227] 共起ネットワークについて 他 投稿者:Satomi  投稿日:2015/10/09(Fri) 00:30:51

はじめまして。保育者の発達について研究をしている大学院生です。A、B、Cの3つの幼稚園における園内カンファレンスの様子を縦断的に5回にわたってビデオ撮影し、発言のすべてを、発言者毎に時系列に並べたテキストファイルを作成しました。これまでに「カンファレンスにおける発言者別回数と時間」、KH Coderを使って各園の「カンファレンスにおける頻出語上位10」と「共起ネットワーク」を求めました。「共起ネットワーク」自体は大変興味深いのですが、共起ネットワークの線が活発に絡み合っている幼稚園と、円が点在してネットワークの線がつながっていない幼稚園では、単純比較して前者の幼稚園の方が、会話が活発に行われていると読み取ってもよいのでしょうか?
さらに、以下の3点についてお尋ねします。

1.職階(園長、主任教諭、教諭)の違いによる発言内容の差
2.カンファレンスの中身が誰かに集約されているスタイルか(園長か司会者、または、ほかの参加者か)
3.会話のやりとり(誰から誰に)がどのように展開したか

ご回答、お待ちしております。操作手順を詳しく教えていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。


  [No.2236] Re: 共起ネットワークについて 他 投稿者:HIGUCHI Koichi  投稿日:2015/10/13(Tue) 18:52:04

こんにちは、樋口です。書き込みありがとうございます。

どのようにお答えすればよいか思案していて、少しお時間いただきました。

> 共起ネットワークの線が活発に絡み合っている幼稚園と、円が点在して
> ネットワークの線がつながっていない幼稚園では、単純比較して前者の
> 幼稚園の方が、会話が活発に行われていると読み取ってもよいのでしょ
> うか?

これは「活発」という言葉の定義次第かなと思います。

円が点在しているということは、それらの言葉はあまり他の言葉と一緒に議論
されていなかったということでしょう。例えばAとBとCが個別にそれぞれ話題
にあがったけれど、AとBとCとを関連づけた議論や、AとBとCの関係についての
議論は少なかったことが考えられます。

逆に、線が絡み合っているということは、AとBとCとを関連づけた議論が多く
あったのでしょう。

ですから個人的な感覚では、活発かどうかというよりも、「個別に語るのか」
「一緒に関連づけて語るのか」という議論の内容・質に違いがあったのかなと
いう気がします。

議論の「活発」さについては、共起ネットワークの形状よりも、発言数や文字
数が多いかどうかで見た方が良いかもしれません。

> 1.職階(園長、主任教諭、教諭)の違いによる発言内容の差
> 2.カンファレンスの中身が誰かに集約されているスタイルか(園長か司会
>   者、または、ほかの参加者か)
> 3.会話のやりとり(誰から誰に)がどのように展開したか

こうした分析については堀田秀吾先生のご本がとてもご参考になるのではない
かと思います。

『法コンテキストの言語理論』
http://amzn.to/1npfaIR

裁判官と裁判員とで発言内容がどう違うかや、議論のあり方についての分析が
なされています。こちらのご本の「裁判長・右陪審・左陪審・裁判員」といっ
た言葉を、「園長・主任教諭・教諭」に置き換えながらお読みになってみては
いかがでしょう。


  [No.2239] Re: 共起ネットワークについて 他 投稿者:Satomi  投稿日:2015/10/13(Tue) 23:19:19

樋口先生 お返事ありがとうございました。丁寧に教えてくださり感謝しております。早速「法コンテキストの言語理論」を読んでみます。