樋口です。書き込みありがとうございます。
ひとまずは上手く行ったご様子で、なによりです。
参考文献ということですが、なにはともあれ、KH Coderに付属のチュートリア
ル(khcoder_tutorial.pdf)がお勧めです。これをお読みいただいて、同じ操
作をお試しいただければ、一定程度まではつかんでいただけるのではないかと
思います。
読みやすさにはまったく自信がありませんが、KH Coderについてさらに詳しく
ということでしたら、設計思想を書いた論文もございます。余裕がございまし
たら『理論と方法』の方だけでもお目通しいただけると、良いかもしれません。
http://khc.sourceforge.net/FAQ.html#o-2
「この分野については、これを読んでおけば大丈夫」と言えるような本となる
と、なかなか難しいように思います。強いて書きますと、内容分析やテキスト
マイニングについての本をいくつか手に取られて、こうした方法を使った分析
/研究の例として、どんなものがあるのかをご覧になるというのがお勧めでし
ょうか。
『福祉・心理・看護のテキストマイニング入門』
『人文・社会科学のためのテキストマイニング』
『メッセージ分析の技法―「内容分析」への招待』
『内容分析の方法』
独断と偏見で4つ挙げました。パラパラとめくって、ご自身の研究関心に近い
事例や、ご自身の研究に応用できそうな方法が無いかどうか、眺めてみられる
と役に立つかもしれません。
統計、なかでも多変量解析については、クラスター分析ならば『実例 クラス
ター分析』、多次元尺度構成法(MDS)ならば『パソコン多次元尺度構成法』
がお勧めできます。いずれも分かりやすく書かれており、最初の方の1〜2章に、
方法の基本がまとめてあります。この分野ではその他に対応分析(数量化III
類)がよく使われますが、これについては、分かりやすい本というのがちょっ
と思いつきません。
なお、KH Coderで用いているような多変量解析はすべて、データの様子を探る
ための記述的な方法です。ですので、計算過程を統計的に正確に理解すること
だけに注力するのではなく、いろいろと計算してみて、結果を見ると言うこと
が大切です。どんな内容かを自分が知っているデータで分析してみて、どうい
う結果が出てくるのかを見ているうちに、その方法(多変量解析)の素性が徐
々に分かってくると思います。そういう意味で、漱石「こころ」であれこれ試
していただいたり、あるいは人工のミニチュア・データ(どんな内容か自分が
知っているもの)で分析を試行していただくのがお勧めです。
結局の所、「習うより慣れろ」でどんどん進めていただいて、必要に応じて上
記のような文献にあたられたり、この掲示板で質問コメントを書き込んでいた
だいたりというのが、一番お勧めできることでしょうか。あまり答えになって
いなくてすみません。