こんにちは、樋口です。デバッグ用データをお送りいただき大変ありがとうご
ざいます。おかげさまで原因を特定することができました。
共起ネットワーク作成時に、「R for Windows terminal front-endは動作を停
止しました」というようなWindowsのエラーが表示され、その後KH Coderもエ
ラーを出すという場合があります。Windows 7では、No.1588に投稿していただ
いたスクリーンショットのような表示になります。
http://khcoder.info/cgi-bin/bbs_khn/khcf.cgi?&no=1588&reno=1587&oya=1578&mode=msgview
これは、KH Coderに同梱している古いバージョンのigraphパッケージのバグで、
データ構造が何らかの条件にあてはまる場合にこの事象が発生するようです。
この問題に出くわした場合も、「最小出現数」のようなオプションを変更すれ
ば、データ構造が「何らかの条件」から外れて、共起ネットワークを作成でき
る場合があります。
それでも上手くいかなかったり、あるいは、「最小出現数」のようなオプショ
ンを変更したくない場合には、igraphパッケージを新しいものに入れ替えると
いう対処が有効です。igraphパッケージを更新する手順は以下の通りです。
(1) kh_coder.exeの場所から見て「dep\R\library」フォルダを開くと、その
中に「igraph」というフォルダがあります。この「igraph」フォルダの名前を
「igraph_org」のように変更します。
(2) そして、新しいipraphパッケージのzipファイルをダウンロードして、そ
の中の「igraph」フォルダを「dep\R\library」の中にコピーします。新しいi
praphパッケージとしては0.6系と0.7系がありますが、0.7は出たばかりなので、
ひとまず0.6系が安全かもしれません。
http://essrc.hyogo-u.ac.jp/cran/bin/windows/contrib/2.14/igraph_0.6.5-1.zip
この対処を行なっていただけば、おそらく、正常に共起ネットワークが表示さ
れるかと思います。
※1 igraphとは、共起ネットワーク作成時にKH Coderが利用しているRのパッ
ケージです。
※2 igraphパッケージを更新すると、配置アルゴリズムも改良されているため、
共起ネットワークの配置が旧バージョンと異なる形になります。これは、配置
が換わるだけであって、どの語とどの語が線でつながっているかといった本質
的な結果は同じです。
ただ、一見すると「分析結果が変わった」ように見えなくもないので、この点
で、KH Coder同梱のigraphを更新することをこれまで躊躇していました。しか
し、そろそろ、更新を考えるべきかもしれません。