Re: 共起ネットワークのレイアウトについて (袋井) KH Coder 旧掲示板
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  [No.868] Re: 共起ネットワークのレイアウトについて 投稿者:袋井  投稿日:2011/10/30(Sun) 09:19:32

樋口先生さま

ご丁寧なご回答をありがとうございました。

ご親切に教えていただきました
・キーグラフ http://www2.kke.co.jp/keygraph/
・鈴木努先生 http://www.geocities.jp/snatool/profile.html
は既に知っており、両先生の書籍とツールは私の手元にありますので、
一方で、何も返事を差し上げないのも大変に失礼ですので、
どのような回答をさしあげたらよいか、苦慮しておりました。


両ツールともに一時期、評価利用をしましたが、今では利用しておりません。


(1)大澤先生のキーグラフについて

考案者である大澤先生が筑波大においでの頃に、
先生からキーグラフに関する論文一式を頂いたことがございます。
先生がご提案されたコンソーシアムにも入っておりました。

大澤先生が学会発表をされたのは、阪大においでになった時です。
その最初の学会発表は情報処理学会の研究会だったと思いますが、
私も参加しておりました。

キーワードというと、頻度、重要度、偏りなどの指標で考えることが
多いのですが、
キーグラフのキーワードは違いますので、最初は違和感がありました。

キーグラフのキーワードとは、
文書に出現する語を、土台、柱、屋根の3階層に分けた、屋根に相当する語です。

大澤先生の学会発表の時には、英語論文を用いた実験結果についてご説明をされていましたが、
論文はキーグラフのキーワードが適用しやすい題材だと思います。
論文著者の主張すべき語は、まさに屋根にあたるからです。


私は、共起ネットワークを作成した時は大抵、ネットワーク指標も計算して確認します。

中心性などの計算の都合上、エッジの重みを無視した2値化の隣接行列として計算します。

これら計算結果をノードの属性として組で与えて、クラスタリングなどを行うこともあります。

容易に予想されるように、出現頻度が大きいものが中心性などの指標も大きいのですが、
出現頻度が高くないわりには中心性などの指標が高いという場面に遭遇することがあります。
こういう場合ではわくわくします。そのノードを中心に深堀していきます。

キーグラフのキーワードを、このようなネットワーク分析の指標という観点からみた場合には、
出現頻度が低いが、ボナチッチ中心性が高い、という特性をもっているように思えます。
(私の手元にはキーグラフのツールがあるので、やって検証すればいい話ですが、それが分かったからといってキーグラフを使うこともありません)


思い起こせば、
大澤先生がキーグラフをご提案された当時は、
ベクトル空間モデルに基づく、概念検索、類似文書検索という新技術の幕開けの時代でもありました。

ジャストシステム社が米国クラリテック社を買収して、コンセプトベースを製品化しました。

米国アダプ社で開発されたVextSearchを、コマツソフトが扱っていました。
アダプ社の社長はニューラルネット分野の大物です!
(彼を招いたVextSearvhのパーティが帝国ホテルであり、私も声を掛けて頂きました)

私は会社の業務では野村総研の製品を使用しています。
・テキストマイニング ・・・ TrueTeller
・特許情報検索 ・・・ サイバーパテント
後者の製品にVextSearchが組み込まれており、活用しています。
VextSearchはいいですよ。
ベクトル空間モデルの考え方、エンジンがよいのだと思います。

     
大澤先生がキーグラフの発表をされた研究会で、もう一つ大きな発表がありました。
その後一世を風靡することになるGETAの前身であるDualNaviの発表です。
これに触発を受けて、多くの研究がされました。


樋口先生の返信を拝見して、
懐かしい昔を振り返る、よいきっかけを与えていただきました。
長々とすいませんでした。


(2)鈴木努先生のSimple Network Analysis Toolについて

本掲示板でも度々ご紹介のある本は、座右の書であることは間違いありません。
私も活用させていただいております。

ネットワーク分析の代表的な指標の計算を、日本語メニューで簡単にできるツールを提供する本ツールの意義は大きいと思います。
改めて先生に感謝の意を表します。

実際に使ってみると、色々な要望がでてきます。
私は、そういう観点から別のソフトを使っています。


長々とすいませんでした。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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