はじめまして、樋口です。
書き込みありがとうございます。KH Coderが、たとえ僅かなりとも、ご研究の
お役に立ちましたならば大変光栄に存じます。ご発表のタイトル等(書誌)が
確定した折には、またお知らせをいただけましたら幸いです。
さて「多変量解析の応用」ページの自己組織化マップですが、Viscovery SOMine
Plus 4.0というソフトを利用しました。
# 使用ソフトについては、出典元の論文にも記述がございます。が、さきほど確
# 認したところ、出典元の論文へのリンクが切れていましたので、修正を行いま
# した。失礼いたしました。
ちなみに主成分分析で語の布置を行う場合、仮に5つの成分が抽出されたとする
と、1度の(2次元での)布置に利用できるのは成分2つまでとなります。よって
それぞれの成分の特徴を検討して、布置に利用する成分を決めなくてはなりま
せん。(もちろん、第一・第二主成分を無条件に利用するのも1つの方法でしょ
うが)
それに対して自己組織化マップの場合には、高次元(多次元)空間の複雑な関係
を、2次元平面上で表現できる点に強みがあるとされています(Kohonenによれば
ですが)。その一方で、「マップの上に行くほど○○で、右に行くほど□□」と
いった軸の解釈はできませんし、3倍ほど離れた場所に布置されているからといっ
て、3倍ほど使われ方(ないしはその他の特徴)が異なるとも限りません。(また、
MDSの劣化版ではないかといった批判も見受けられます)
私自身の大雑把な印象にすぎませんが、「とにかく2次元で、大まかな様子だ
けでも見られれば」という際には自己組織化マップ、「それぞれの成分・軸の
様子をより丁寧に見て」という際には主成分分析、という感触を持っておりま
す。なお、データの性質を考えると、主成分分析よりも数量化III類(対応分
析)の方が適していますでしょうか。
# このような目的で数量化III類を行うには、WordMinerが便利です。WordMinerで
# III類を行うために、データをエクスポートする機能が、KH Coderには備わって
# おります。
# その他にフリー(自由)ソフトウェアでは、「R」というもので、自己組織化マ
# ップ作成・III類(対応分析)・主成分分析・その他が行えるようです。ただ、
# こちらは使いこなすのに、いくぶん気合いが必要かと思われます。
以上、とりとめもなく書いてしまいましたが、ご参考になる部分がありましたら
幸いです。
p.s.
いろいろと書いてしまいましたが私自身は、多変量解析よりも、必要と考えら
れる事柄・概念をコーディングルールで取り出す方に注力されることを、基本
的にはお勧めしております。。。